2015.8.2 白馬岳登山
今年で39回目を迎えるという、糸魚川市山岳連盟主管の「白馬・小蓮華縦走登山」に参加した。 計画工程は 8月1日 6:30 糸魚川市民会館前集合。点呼 白馬村振興公社のマイクロバスで、白馬村営猿倉荘まで移動 9:00 猿倉荘で準備、出発式 9:20 猿倉荘-白馬尻小屋-大雪渓-葱平-小雪渓-お花畑-16:00村営頂上宿舎(泊) 8月2日 4:00 出発-白馬岳山頂、5:00御来光-三国境-小蓮華山-白馬大池-天狗の庭-11:10蓮華温泉着。入浴、昼食 13:45 路線バス乗車 15:20 糸魚川駅到着解散 8月1日 天気予報は「晴れ」。8月の第1週は一番好天が期待できる時期だ。 連日の暑い日になりそうで、雨の雲行きではない。 8時45分、猿倉荘から登山開始。参加者16名、スタッフ7名の総勢23名である。 先頭、中間、後尾にスタッフが占めているのでペースを乱さず安心して行ける。 歩き慣れるまでの1時間でグッショリ汗をかく。 晴れていれば山頂が見えるという場所ながら、靄(もや)がかかっていて見えない。残念! | |
1時間半かけて白馬尻小屋まで、ともかく歩く。 ここに来ると、大雪渓から降りてくる冷風が気持ち良く、汗も徐々に収まる。 |
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白馬尻小屋からは、大雪渓の下部が見える。 小休憩ののち、大雪渓まで移動。 |
大雪渓の下部に到着。見上げれば黙々と上を目指す人の列。 靄が晴れない。 |
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11時、安全のためアイゼンを付けて、いよいよ2時間の上りが始まる。 大雪渓は、全長3.5キロ、標高差600メートル。 |
40分歩けば、ほら、こんなに登ってきてる。 靄が薄れてきた。いい感じだ。 |
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しかし、見上げれば、山上は靄の中。 いつ晴れてくれるのか、このまま山頂までこんなだったらかなわんなぁ。 充分な運動量のはずだが、寒いと感じないし汗もすぐに吹き飛んでいく。 |
左手に杓子岳があり、天狗菱と呼ばれる崩落寸前の頂きがある。 ここから崩れ出し雪渓に転がリ出てくる落石が危険だ。 ときおり、パラパラと小石の転がる音がするとゾっとする。 転がり出た石が、右に左に勢いづいて近づいてきて、 他の誰でもない自分に当たってきたら、 運命。「アタ~リ~」としか言いようがない。 |
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大雪渓の上部、葱平(ネブカッピラ)に到着。 陽が射してきた。時折靄が流れ過ぎると、サーっと視界が開け、登ってきた大雪渓がはるかに広がる 昼食タイム30分。 涼しく新鮮な空気、雪渓と山の緑のバランス。日焼けするような強い光線を感じる。 |
14時30分、小雪渓は登るのではなくトラバース。 ここはアイゼンなしで、踏みしめて渡る。 |
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15時、お花畑に入る。 靄が消えて、高山帯特有の色の山だ。崩落寸前の天狗菱と、 その奥に堂々の杓子岳が現れた。 足元は小さな花びらを並べる高山植物がいっぱい。 |
16時7分、村営白馬岳頂上宿舎に到着。 全員が揃うまで宿舎に入れない。 止まっているとさすがに寒く体温が下がる。 16時45分全員到着し、宿舎へ。 部屋は「御来光」の間で24人収容可能。明日を暗示するいい名前の部屋だ。 |
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上を見上げれば白馬山荘。明日はあそこまで20分で登り、さらに15分登れば白馬山頂だ。 夕食は17時から、就寝は21時。 部屋に持ち込んだアルコールを並べ、スタッフや初めての友としゃべり、笑いあう。 同室の規則正しいいびきが、自分のペースにどうも合わない。 眠れない。 0時半に落ちた。 |
8月2日 3時20分起床、4時出発。まだ暗くて足元が見えない。 白馬山荘まで登り、あと少しで白馬岳頂上。 歩き始めに点けていた懐中電灯はもう要らない。 5時御来光の予定なので周りが明るくなってきた。 |
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振り返り、見下ろせば、白馬山荘、村営宿舎、杓子岳(2812)、白馬遣ケ岳(2903)への稜線ルートが望める。 |
5時直前、雲海の先をオレンジに染まる空。 どこから光があふれてくるのか。じっと待機する。 周りから、オーッという声が上がる。 なんと、雲海の中から溶けた鉄球のような火の玉が現れた。 妙高山の右手あたりか。 まぶしい! |
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あれよと思う間に、オレンジを白に塗りかえ、空色が濃くなっていく。 青と、オレンジの細い帯と、雲海に浮かぶ頸城の山々に見とれる。 8月2日の始まりです。 いい一日でありますように。 |
反対方向を見れば、毛勝三山(猫又山・釡谷山・毛勝山)のうしろ 雲海上に、白馬岳の影が大きく映っている。 「影白馬」だ。 空高くにはブルームーンが残っている。 |
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やはり証拠写真は必要か。 白馬岳山頂2932メートル。 |
5時30分、白馬岳山頂から、三国境に向かい下りのスタートだ。 |
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三国境到着。 宿舎で用意してもらった弁当で朝食。 6時30分出発。 |
左手方向に鉢ケ岳、雪倉岳、朝日岳方向を望む。 この方向は見るだけ。 朝日岳に行くにはここから7時間を要す。 |
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白馬岳を見通せる絶景ポイントを紹介していただき、パチリ撮影。 中央が白馬岳2932メートル。山頂から左下に流れる谷あいが大雪渓。大雪渓の麓が白馬村猿倉になる。 昨日はこの大雪渓を登ってきたのだ。 白馬山頂から尾根伝いに手前方向に進んできて、もうすぐ小蓮華山2766メートルに届くところがこの地点。 左は白馬遣ケ岳2903メートル。右は旭岳2867メートル。 |
白馬遣ケ岳の左は、五竜岳(2814)・遠見の稜線。 その奥に爺ヶ岳(2670)、鹿島槍ヶ岳(2889)が見える。山の名前は詳しくないので省略。 知っている人に言わせると、南方向には、八ヶ岳から富士山が見えた。 あぁ富士山かもね。 |
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7時30分、証拠写真その2。小蓮華山頂上2766メートル。 新潟県の最高峰だ。 (白馬岳は長野県と富山県にまたがる山) |
小蓮華山より静かに水を湛える白馬大池を望む。 雲海の上に妙高、火打、焼山が見える。 |
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小蓮華山から白馬大池への緩やかな登り下り。 稜線歩きの最後だ。 美しい山脈よ、さらば。 |
8時45分、まもなく白馬大池に着く。 下るごとに気温が上がる。快適な涼しさは無くなりつつある。暑い! |
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9時、白馬大池。30分の休憩。暑い、熱い。 冷えたポカリ500ミリリットルボトルを購入、1本500円。 9時45分、蓮華温泉に向かって下り開始。今から約2時間半の歩き。 10時35分、天狗の庭到着。 少し風が通って、雪倉岳が正面に見え、ほっと一息。 |
下りの山道を黙々と歩く。 ふくらはぎも、太腿もそろそろ悲鳴をあげ始めている。 気をつけなくてはならないのは転ばないこと。 汗を恐れず、細かく水分を補給すること。 12時20分、蓮華温泉到着。 |
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家族で白馬登山をしたのが小学校4年生の頃。はるか昔でほとんど思い出は浮かばないし、今回とはコースが違っていたように思う。 シューズに藁縄を巻いて滑り止めにして登った大雪渓、たくさんの高山植物のお花畑、涼しかった稜線歩き。 この年齢になっても、もう一度登ってみたいとずっと思っていたふる里の山。 無事帰還できて大満足。 デジカメがなく、フィルムを何本も準備し、写り映えがわからずの撮影の時代ははるか遠く、 制限なしで安心して気の向くままにカメラを構えられる現代はすごい。 思いっきり花の写真を撮っていた女性の姿も現代だからこそ。 こんな時代のこんな白馬の山々を形に残してみた。 |