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勝山(かつやま)城址



勝山城址(勝山)に行くには、糸魚川市街を西(富山)方向に向かって進みます。
およそ車で20分くらい。



青海(おうみ)町・田海川(とうみがわ)当たりからは、海岸線の際に突き出した小山が見えます、これが勝山。
日本海海岸線を東西に見分け、戦国時代の要衝の地であった場所です。

海岸線に沿って道路が曲り始める頃、勝山トンネルの手前右方向に8台程度の車が駐車できるスペースがあります。
駐車スペースは右方向にあり、勝山トンネルから出てくる対向車がありますので注意してください。



ここで標高10メートルくらいでしょうか、すぐ下に日本海があります。
振り返ると北アルプスが日本海に落ち込む断崖を切り開いて通っている国道8号線の厳しさが良く判ります。
崖を削り、トンネルを掘り、天下の険を通過するのは半端ではなかった、
国道8号線が全2車線になったのは昭和42年のことです。



駐車場所から山腹側をみると「勝山城址登山道」の石碑が建っています。
その先に石の階段が付いてますのでここを登っていきます。
一本道なので迷うことはありません。
石段があるのは20段ばかり、その先はヤブと沢に滑りそうな急な細道で、やがて険しい尾根道でロープと鎖。
しっかりした靴を履いて行くべきでしょう。
雨の日は滑りますので注意が必要、靴も汚れます。



4月30日に登った時は、高山植物のイワカガミが咲いていました。
勝山は標高328メートルですが、風雪が厳しいので海岸線でも咲くのでしょうか。
この高さまで登ると潮風の影響は無いようです。
ゆっくりペースで登り40分、下り20分。



頂上には勝山城址の立て札があり、この山の謂われが書かれてます。

この城は、戦国時代の越後上杉氏によって築かれ、落水(おちみず)城とも呼ばれた。
日本海に迫る標高328メートルの断崖上にあり、西は越中宮崎から能登、東は上杉氏の居城春日山以西の海岸部はもちろん...遠望できる要地にある。
天正13年(1585年)には豊臣秀吉が石田光成を従えて上杉景勝、直江兼続らとここで盟約を結んだとの伝えもあるが定かではない。

物見櫓が建っていたのか結構な平坦なスペースがありますが、三角点と、小さな祠「親不知・越中海岸展望所」の立札があるだけです。
遠い過去に兵士たちが入れ替わり守備に携わっていた面影を偲んでみましょうか。



頂上から、海側は草木が生えていますが、まっさかさまの崖で、勝山トンネルの上を越えて日本海まで落ちていきます。
草木の隙間から糸魚川市内を見下ろすことができます。
姫川河口から海岸線は浦本あたりまで。山容は早川・不動山から鉾が岳まで。
北アルプスに阻まれ、山を越えてくる敵があったとしても、根知城山(じょうやま)で阻止できます。
海岸線を監視する見張り台とすれば勝山は的確な位置で、ここで狼煙をあげれば、情報伝達は早かったに違いありません。

残念ながら親不知方面はここからは見えません。
もうひとつ西側の山が邪魔です。西側が見える尾根沿いの場所があったのでしょうが今は草木に埋もれて不明です。



残念ながら、期待していたテレフォンカードにあるような親不知の高速道路はまったく見えません。
これは恐らく空撮したものなのでしょう。



ここからは、勝山城址登山の余話になります。
急ぎ下山して、親不知駅から「鬼ヶ鼻」の高台に登ってみ見ました。
親不知駅の西側にある高台です。
明治天皇が行幸された時に「野点」された記念碑も途中にあります。
(明治天皇は親不知に道が無かったため、海岸を避けて山越えしたのです)



徒歩で1時間半かかりましたが、乗用車なら高台まで15分程度で行けます。道路は舗装されています。
空撮には及びもつきませんが、国道8号線や、橋脚に支えられる北陸自動車道が見えました。
テレフォンカードに近いものが見えたことで、なんとなく安心して帰路につきました。

【アクセス】
北陸自動車道「糸魚川IC」から車で30分。国道8号線を富山方面へ。
「勝山トンネル」手前に駐車スペース8台程度。駐車料無料。
登山口から40分で頂上に到着します。お天気の良い日の午前中ならばサっと行けます。
(下りは約20分で駐車場まで戻れます)

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