根知(ねち)城山(じょうやま)
糸魚川市根知(ねち)地区に「根小屋(ねごや)城」があります。根小屋城・上城山(かみじょうやま)城・栗山(くりやま)城の三城を総称して根知城と呼び、県指定史跡の中心は根小屋城(標高320m)です。
根知城は、越後と信濃の国境に位置する堅固な山城で、戦国時代の典型的な尾根城(山の尾瀬沿いに作られたお城)です。
【歴史】
南北朝時代(14世紀中頃)に南朝軍だった禰智(ねち)氏の根拠地であり、禰智氏は足利軍と戦い戦死しました。
上杉謙信は武田信玄が松本街道を下って侵攻してくることを恐れ根知城を重要視し、武田氏に追われた信濃の豪族・村上義清を城主にします。
根知城は、信濃の国に対する越後側の最前線基地として重要な役割を担うことになります。
こうして、松本街道を使うことを諦めた両雄の世紀の対決は、「川中島の合戦」になっていくのです。
その後武田方の仁科盛信、上杉方の西方房家、桜井三助晴吉に城主は変わり、堀左門城主の1601年根知城は廃され、城主は清崎城(糸魚川城)に移ったといわれます。
本丸跡と殿屋敷と称する郭跡を中心に、郭跡17、削平地201、掘切16、堅堀15と大規模な城郭跡を残しており、新潟県の史跡に指定されています。
地元では「根知の城山(じょうやま)」と呼び、山を楽しむ人たちは、標高525mの上城山城(詰め城:最終防御点)をめざします。
姫川から眺める城山は、一帯を見渡す絶好の場所で、その城は難攻不落の場所に思えます。
頂上からは西側に姫川、東西に根知谷が披け、北は日本海まで望める絶好の拠点です。
根知川を越えた先に見える東側のゴツゴツの岩肌が越後駒ケ岳(1457m)、
南東はるかに日本百名山の雨飾山(あまかざりやま、1963m)が見えます。
ここは蝶を多く見ることのできる土地です。街でも最近は見かけませんが、城山に登るとたくさん飛んでいます。
キアゲハです。
4月下旬、カタクリ、イワウチワの群生や、タムシバ、ニリンソウの花が咲きほこります。
カタクリ
イワウチワ
タムシバ(ニオイコブシ)
ニリンソウ
山菜コシアブラ、ツクシ、ぜんまい、タラノメ、山ウド、せせらぎにワサビ、山の幸もいっぱい伸び盛り。
コシアブラの天ぷらは高級食材です。
栗山の居住地に降りるとスイセンも真盛りでした。
糸魚川にきない!
コシアブラ
樹脂からわずかながら油が採集できます。
奈良時代から平安時代にかけての文献には「金漆(ごんぜつ、ごんぶち)」と呼ばれる黄金色に輝く塗料が登場し、工芸用塗料として珍重されたとありま す。
越後国の油なので「コシアブラ」
北海道、本州、四国、九州に広く分布し、冷温帯林に生育しています
【アクセス】
JR大糸線「根知駅」下車、徒歩5分
北陸自動車道「糸魚川IC」から車で15分。国道148号線を白馬方面へ、「根知谷入口交差点」を左折、踏切を渡りすぐ右折。
駐車スペース4~5台あります。ここから尾根を登るのが、厳しいですが景色も良くてお奨めのコースになります。
写真は登り口付近、人の通った細く急なのぼり坂が見えますが、ここが登山口になります。(特に標識はありません)
勝蓮寺横から、昔ながらの大手道を通り三の丸跡に昇るルートもあります。
栗山登山口にも駐車スペース4~5台あり、紹介ルートの逆コースを辿ることもできますが、谷あいのルートで景色は望めません。
(地図に黒丸で示した辺りに駐車スペースがあります。)
登山口から2時間で上城山城に到着できるので、足慣らしに出かける人も多い人気の山です。
(下りは約1時間で戻れます。下記の地図をご参考に)
およそ半日をかけて糸魚川の野山と色をお楽しみください。
所在地 :勝蓮寺付近 〒949-0536 新潟県糸魚川市大字根小屋711 TEL.025-558-2208